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母親の生前整理

公開日:2025-12-01 00:00

目次

■ 生前整理と遺品整理の違い

生前整理遺品整理大きな違いをご存知ですか?

◦「生前整理」は、本人が元気なうちに自分の意志で行う

「遺品整理」は、本人が亡くなったあとに家族や遺族・関係者が行う

大切なことは、自分の物の行き先は自分で決めることです。

いつか生前整理をしようと思っていても、急な病気や怪我・認知症などで出来なくなることもあります。

著者は今年、怪我で救急搬送、40日の入院を余儀なくされた経験から、人はいつ何が起こるかわからないと強く思っています。

生前整理を行う時期に早いということはありません。
始めるのは生前整理を知った【今】です!


■物の整理

1) 衣類の生前整理のコツ

2021年から始めた、母親の生前整理、まずは衣類からスタート。

手放さないまま次々に増えていく衣類。
著者と妹が使っていた部屋の箪笥と収納ボックスに詰め込まれた衣類を、母親に聞きながら分類していきます。

着るもの
著者と妹が引き取るもの
リサイクル出来るもの
 最後に、
感捨離
 物に感謝をして処分します。

衣類の生前整理

 

2) 小物類の生前整理のコツ

次にカバン類小物アクセサリーなどを順番に衣類と同じように整理していきます。

2023年に母親が施設へ入居、それに伴い食品類の整理を優先。

床下収納階段下収納には、梅干しや梅酒、らっきょうなどの瓶類がずらりと並んでいます。
保存状態が悪くすべて廃棄することになりました。

買い置き食材も賞味期限消費期限を見ながら整理しました。

【☆ワンポイントアドバイス

空き家になった場合、冷蔵庫の電源を切るのは、中の物をすべて取り出し清掃をしてからにしましょう。

温度が上がり腐敗・カビ・異臭そして、腐敗から毒素が作られます。
毒素を吸い込むことによる健康被害や皮膚に触れるとかぶれ、ただれ炎症を起こします。

プロの業者でも電源の切れている冷蔵庫の整理には「防毒マスク+ゴム手袋+ゴーグル」を着用するそうです。


■不動産の売却 




2025年、母親から自宅を手放す相談がありました。

施設入居当初は「家に帰りたい」「生涯あの家で住むためにリフォームしたのに」など言い、聞いていると心が痛くなる時期もありました。

それから施設入居から2年が経ち、生活も慣れ、居心地の良い環境になった頃、母親からもうあの家には帰らないから手放したいと相談がありました。

著者が育った家は、借地に自己所有の建物が建っています
今回は著者の事例でどのように不動産を手放したのかを、ご紹介します。


借地に自己所有の建物を手放す5つの方法

借地権付き建物の手放し方についてはいくつかの方法があります。

1.建物をそのままにして第三者に貸す

(建物を他人に賃貸して家賃収入を得る)

注意点
・借地契約で「転貸禁止」の条項がある場合、地主の承諾が必要
・承諾なしに転貸すると契約解除のリスクがある。


2.建物を売却して借地権ごと譲渡

(建物+借地権をセットで売却する)

注意点
・地主の承諾が必要(承諾料を請求される場合あり)


3.建物を取り壊して借地契約を終了

(建物を解体して更地で地主に返す) 

注意点
・契約終了時には更地返還が原則。
・途中解約する場合は、地主と合意解除を結ぶ必要あり


4.建物を残したまま地主に譲渡

(建物を地主に買い取ってもらう)

注意点
・地主が購入に応じるかどうかはケースバイケース。
・買い取り価格は市場より低くなる傾向がある。


5.親族や知人に名義・権利を引き継ぐ。

(相続・贈与・譲渡によって借地権を引き継ぐ)


注意点

・地主の承諾が必要な場合が多い。
・承諾料がかかることもある。

どの方法が良いのか、契約内容地主との関係建物の状態など様々な観点から調査します。

その結果、母親の同意を得て、
上記の【4.建物を残したまま地主に譲渡】の方向で進めることにしました。
(※どのケースが適切かは、地主、周囲の状況等で変わります)

実際にどのように進めていったかは、次の通りです。

1. 2025年3月に信頼する不動産コンサルタントに相談
 ⇩
2. 調査開始
 ⇩
3. 6月 地主に購入意志ありの確認
 ⇩
4. 8月 売買契約
(司法書士と母親との面談、意思確認)
 ⇩
5. 10月 決済


─不動産売却をスムーズに進めるポイント

今回は、売却の相談開始から約半年で、所有権移転まで完了しました。

その背景には、終活と相続の専門家が連携し合う体制があります。

生前整理を専門とする著者にとって、不動産売買や士業の専門領域は、信頼できる専門家と連携して進めることが欠かせません。

著者が所属する「争わない相続」を目指す専門家グループ・笑顔相続道の仲間たちの協力もあり、スムーズに進めることができました。

今回のケースでは、不動産コンサルタントと司法書士との連携が重要な役割を果たしました。
そして、生前整理はそのまま相続対策にもつながります。


■母親の生前整理を終えて

不動産売却後に妹が言った言葉が印象深く残っています。

私たちが判断能力もあり元気で動けるうちに、母親の生前整理が出来て良かった。」

著者も妹も60代、母親のひと通りの生前整理を終え、物・心・情報の整理が整った実感を持っています。

今後は、母親と気候の良いときに小旅行に行き、月に1回から2回ペースで大好きなビールを飲んで、カラオケで大きな声を出し、やりたいことを叶える手伝いを姉妹でサポートしていきます。


 悔を残さない人生とは

このコラムを読んでくださった皆様

悔が残る人生ではなく
悔を残さない人生は今からなら出来る!
「いつかやろう」の「いつか」は来ない

やりたいことを先送りにしないで、やりたいことをやることに変えていきませんか?

著者は、心からそう願っています。

ご実家の生前整理について、さらに具体的な流れをこちらのコラムでもご紹介しています。併せて、ご一読ください。
https://egao-souzoku.hanamaru-syukatsu.com/20241209

生前整理でご不明な点やお困りのことがありましたら、お気軽に著者へお問い合わせください。



【執筆者プロフィール】
草野 弘美
生前整理・不動産に強い相続コンサルタント


【保有資格】
・宅地建物取引士
・生前整理アドバイザー認定上級指導員
・相続診断士
・ベストショットアルバム指導員
・ 縁ディングノートプランナー
・ 笑顔相続道®正会員
・ 一般社団法人 縁ディングノートプランニング協会 大阪支部 副支部長

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