遺産分割協議をし
遺産分割協議をして各金融機関に書類を提出する際には印鑑証明書が必要になります。
そこで、日本に帰国時に印鑑登録をしてもらい、
「必要書類もその際に全て記入してもらい実印を押印!」
というご提案をしました。
遺言がない場合には主に下記の場合に実印が必要だからです。
□遺産分割協議書
・相続人全員が実印で押印
・印鑑証明書の添付
□各金融機関へ申請時
・相続人全員が実印で押印
・実印であることを証明するために印鑑証明書の添付
どうしても実印登録ができない、もしくは日本に帰国できない際には
署名証明(サイン証明といって印鑑証明の代わりとなる書類)を取得いただく必要があります。
あるいは、印鑑登録だけなら母が長女の委任状をもって代理登録という手もあります。
いずれにしても、委任状など含め長女自身が記入し署名する必要がある書類が多くあるわけで、それをEMSという国際郵便でやりとりをして行うなど、通常の死後事務よりも手続きが煩雑です。
遺産分割協議が整わなければ、相続税の申告にも影響します。
とりえず、法定相続分で分けたことにして、申告し、その後、修正申告するということもできますが、納税・申告含め2度手間です。
結果、取り急ぎ、母が代理で印鑑登録し遺産分割協議書その他必要書類はEMS便でやり取りをして、金融機関等に提出。
不備が出たらまたやり直し・・を繰り返し、
遺産分割については49日過ぎに国際電話で3人で話し合ってもらい、
母が自宅マンションと金融資産は2分の一、
長男と長女は金融資産を4分の一ずつという内容で合意したため、
税理士にはその金額で申告を進めてもらいました。
長女からの書類が全て完璧に届いたのは相続が発生してから実に8か月後・・
なんとかぎりぎり間に合いました。
結局、GWに戻ると言っていた長女は帰国せず、全てEMS便と国際電話でやり取りして済ませました。
このように、海外(もしくは遠方)に相続人がいるケースでは、
遺言がないと死後の手続きがかなり煩雑になり時間もかかります。
もし、皆さん自身のお子さんが海外にいるや遠方でなかなか仕事を休めない
などに該当するようであれば公正証書遺言の作成を強くお勧めします。