海外に相続人がいると大変①
公開日:2022-08-31 15:06
目次
海外に相続人がいて大変だった事例をご紹介します。
Aさんは港区のマンション夫と二人暮らし。
お子さんは長男と長女の二人ですが長女はご主人の仕事の都合でアメリカに住んでいます。
長男は結婚していますが子はなく夫婦で関西の嫁の親と2世帯住宅を建てほとんど関東には帰ってきません。
奥様はご自身の両親からかなりのお金を相続しており
ご主人も元パイロットでお二人合わせた財産は自宅マンションを入れて約3億。
マンションは時価で(売ると)約1億です。
相続人が遠方にいますし、さらに一人は海外です。
相続が発生すると手続きも煩雑ですし色々と揉めそうな要素も満載のため
相続対策の遺言の作成と【遺言執行付き】死後事務に関するご案内をしていました。
奥様もきょうだいの仲があまりよくない上に
長男が嫁の実家に盗られてしまったような気分で
嫁は子供が嫌いだから今後、長男のところに孫ができる見込みもなくそうなると
長男に財産が渡ると嫁の弟一家がいずれそれをもらうことになるのでは?と危惧されていました。
長女のところには孫はいるので、どうせなら長女にマンションも渡したいけれど
海外暮らしが長く『このままアメリカに永住しようかしらなんていうのよ。』とため息をついてらっしゃいました。
ただ、ご主人がまだリタイアしたばかりで全然、相続対策には興味なし。
どうしたものかしら・・とのご相談でした。
奥様はとにかく自分だけでも遺言を遺したいという意向でしたので
チーム弁護士とご自宅に伺いとりあえずご主人にも会わせていただくことに。
お会いしたご主人は奥様のおっしゃるようなことはなく
意外とすんなりまずは遺言は書いてもいいとおっしゃいました。
そこで
誰に何を遺したいのかお話をお伺いすると
自分が亡くなった時は全財産は妻に、妻が亡くなった時のことは妻と相談して好きにしてくださいというご返答
まあ、遺言を遺してくれる気になっただけよかったということで2次相続対策はゆっくりやりましょうとなりました。
お子さんたちはそれで納得されるかが気になりましたがそちらについては生前贈与してもらう方が嬉しいといわれたということで相続税もそれなりにかかると関与税理士が試算していたので
それならご主人の遺言に関しては奥様に全財産でと決まりました。
ところが・・
遺言を作成予定で日時まで決まっていたのですが
ある日奥様からすごく取り乱した様子で電話がはいりました。
『夫が急死しました!』
続きは次回。。。