相続はなぜ揉める・・少額で揉めた案件①後半
公開日:2022-08-31 10:29
目次
『死んだ人間は関係ないわよ』
で終わって、多くの方から早く続きを~
と言われておりました(;^_^A
引っ張ってしまいすみません
続きです・・
一瞬で場の空気が険悪になるのを感じましたが
そこは動じず、また否定もせず
『そうですね・・亡くなった方は関係ないですね。
あの世もあるかどうかわかりませんし。』
そのあと、間を少し長めに取りました。
『では、もう一度、目を閉じてください。』
またぁ~?という三女を無視して
少し今度は語気を強めてこう言いました。
『あの仏壇の中にいるのは皆さんです。
想像してください。
今、揉めているのは皆さんのお子さんです。
この光景、親としてどう思うんですか?』
仏間はシーンとなり、しばらく沈黙が続きました。
時間にしてそれでも1、2分がやけに長く感じました。
こういう時、何か言いたくなるものですが
私もじっと耐えていました。
口火を切ったのは長女。
『私が折れます。
やはり私は長女だし、これ、自分の子にされると思うと
辛いですから・・』
ということで、遺産分割が完了し定期預金の200万は無事に
分けることができました。
この件は何とか解決しましたが
いつも上手くいくわけではありません。
では、この案件はどうしておけばよかったのか・・
やはり、親が元気なうちに
*自分の預貯金を誰にいくら、どういう理由で
そのように分けようと思ったのかを事前に
*子を全員呼んで想いを伝えておくか
遺言【自筆でもいいので】を遺し、
分け方の理由についてはやはり付言に書くか
*せめてエンディングノートがあれば
こんなに揉めたりはしなかったと思います。
(それでも揉めるときは揉めますが・・)
そもそも揉めるのは
親の気持ちがわからないのと(どう考えていたのか)
圧倒的なコミュニケーション不足が原因にあると思います。
日本は戦後、法定相続という考え方が民法改正で
常識とされました。
戦前は家督相続で、親や親族(きょうだい)の面倒を全てみる!
その代わりに全財産を相続しました。
権利と責任がセットだったんですね。
それが、戦後に民法が改正されて
法の下の平等精神に基づき
親の面倒を見ていても見ていなくても
平等に分けるのが当たり前だ!と解釈されるように・・
実はそんなことないんですけどね。
というお話はまた今度~
後日、長女から『有難うございました』の
お手紙を頂戴しました。
手紙には三女さんは相変わらずだそうですが
少しきょうだい仲が良くなったと書いてありました。
それを読んで少しはお役に立てたのだなぁ~と
嬉しくなりました(^^)