相続はなぜ揉める・・少額で揉めた案件①前半
公開日:2022-08-31 10:25
目次
今日は私が実際に経験した案件の中でも
一番少額で揉めた案件をご紹介したいと思います。
割り切れない遺産
相続コンサルとしてまだ駆け出しの約10年くらい前の案件です。
当時仲良くさせていただいていた司法書士から
『僕では相続人さんとの調整がうまくできないので
家族会議に同席してもらえませんか?』と連絡がありました。
お母様が亡くなり定期預金200万円の引き出しが
遺産分割が難航してできないと言うのです。
相続人は6人。
70代前半の長女から五女プラス一番下が60歳くらいの長男。
凍結している定期預金は200万円なので
一人33万3333円・・・
割り切れません
ですが、誰一人として1円も譲歩できないということで
揉めていたのです。
このままでいくと全員が弁護士を付けて最後の一円まで争う
というので、何とかそうならないように解決できないか?
ということで私が呼ばれました。
そこで、
お一人お一人から事情や想いを個別にヒアリングしました。
ここで全員同席で話を聞くと必ずお互いが自分を正当化して
揉めはじめます。
一人ずつお話を伺った方が本音も出ます。
自分の想いを吐き出すことで気持ちの整理もできたりします。
本当にお一人お一人が抱えている不平や不満が
吐き出されてきました。
長女は
『私は6人きょうだいの一番上で中学を出てすぐ働き
家に仕送りもしてきた。ずっと家の犠牲になってきたので
もうこれ以上、我慢をするのは嫌なんです。』
とおっしゃいました。
三女は
『いつもいつも長女は偉そうで、命令口調。
昔のことを恩に着せて本当に嫌い!
姉には譲歩したくない。』
と本当に吐き出すようにおっしゃいました。
6人それぞれから話をお伺いして
気持ちが落ち着いたところで全員に仏壇の前に座っていただき
目を閉じてもらって
『この光景をあの世でご両親が見ていらっしゃったら
どう思われるでしょうか?』と静かに話させていただきました。
その時に
性格が一番きつい三女さんが叫んだのです。
『死んだ人間は関係ないわよ!!』
続きはまた次回に(^_^)