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コロナウィルスに罹患してからの遺言作成は可能?

公開日:2022-08-31 06:00

目次

皆さん、危急時遺言ってご存じですか?
自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言普通方式遺言と言われています。
そのほかに特別方式遺言がありますが特別方式遺言の中に危急時遺言と言われるものがあります。
(図を参照)


今日はこの特別方式遺言の中で危急時遺言について触れたいと思います。

私自身、危急時遺言は何回か証人を経験しているのですが毎回思うことがあります。
それは何故もっと早く遺言作成をしておかなかったのかということです
(T_T)
疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が
遺言をしようとするときは、証人3人以上の立会いを以って、

その1人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。)

作成手順

①証人は3名以上(ちなみに公正証書では2名以上です)
②遺言者から遺言の内容をヒアリング
(私が経験した一件は病院でバイタルチェックをしながら休み休み2時間かけてヒアリングしました)
③ヒアリングをもとに証人の一人が遺言書を作成し、その内容に問題がないか遺言者に確認

(作成は証人の一人は弁護士など士業に依頼)
④3名の証人が署名・押印
⑤遺言書を作成した日から20日以内に、証人のうちの1人
あるいは利害関係者(相続人等)が家庭裁判所に遺言書を提出し、内容や方式に不備の無いことの確認

事前確認事項及び必要書類

〇遺言をヒアリングする場所の確保(病室にそのスペースがあるかなど)
〇証人3名の確保
 一人は士業であることが望ましい(不備を出さないため)
〇証人をする際には必要ありませんが
遺言の確認の審判申立て時には以下の書類が必要です
*申立人の戸籍謄本
*遺言者及び証人の戸籍謄本
*遺言書の写し
そのほか、裁判所ごとに必要書類が違う場合があるので事前確認を行う

(遺言者の住所管轄の家庭裁判所)
*費用は遺言書1通につき800円

では、もしコロナウィルスに感染したら危急時遺言は可能でしょうか・・・
現時点でいえることは退院すれば可能。
(退院すれば公正証書でも自筆でもOK危急時遺言は必要なし)
でも入院中は・・・
親族ですら面会をさせてもらえないと聞いています。
ということは伝染病隔離者遺言?
伝染病隔離者遺言(民法977条)は

  • 伝染病のため行政処分によって交通を絶たれた場所にある者
  • 警察官1人証人1人の立会いをもって遺言書を作る

とされています。
なんだか大変そうですね・・

コロナウィルスに感染しているといわれ
隔離されてから遺言を作るのではなく
今こそ、まだ早いと言っていないで遺言作成しませんか?