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親を介護すれば寄与分は認められる?

公開日:2022-08-31 06:00

目次

争族の現場でよく繰り広げられる

『親の介護をしてきたから、他のきょうだいより沢山の財産をもらえるはず』という言葉。

親と同居し、自分の妻が長年、自分の両親の介護を
しているケースではそう言いたくもなりますよね。。
ただ、残念なことに

介護をしても財産が多くもらえるわけではありません。

民法上では。。

民法では、「寄与分」といって親の事業に大きく貢献したり、
親の病気の看護や介護をするなど、亡くなった人の財産を
増やし、維持することに特別な貢献をした相続人には、
貢献度合いに応じて多めに財産をもらうことが
認められています。(民法904条の2)

その一方で

「直系の血族、兄弟姉妹はお互いに扶養する義務があり、
家庭裁判所は、特別の事情があると認めたときには、
三親等内の血族や姻族に対して、扶養の義務を
負わせることができる」(民法877条)

とも規定されています。

要するに

財産を多めにもらえる「寄与分」が
認められるのは、
通常の扶養の範囲を超え、介護で会社を辞めるなど
よほど大きく貢献しなくてはいけないということです。

また、認められたとしてもせいぜい数百万などで
相続分に大きな差が生まれるわけではありません。

そのため介護している子と介護をしていない子との間で
争族が勃発することはよくあります。

親が元気なうちに対策をするなり
家族で話し合いをし、みんなが納得のいく形に
もっていければいいのですが、なかなかそうならないことも
多いですし、話し合いそのものができないこともあると思います。

諦めて何もせず、争族になるのを指をくわえて
見ているのか、それとも諦めずに話し合いを何度も
もつ努力をするのか・・

『親を介護すれば寄与分は認められる!!』
という考えに凝り固まってしまうと話しは前に進みません。

まずは現状をしっかりと把握し
どうしていくことが我が家にとってのベストかは
しっかりと考えていきたいですね。

いざというときは我々専門家が間に入ることで
家族だけでは煮詰まって前に進まないことが
上手くいくきっかけになることもあります。

争族を笑顔相続にするために
相続診断士がお役に立てるかもしれません。