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法律婚にとらわれない新しい備え方〜事実婚(内縁)のパートナーを守る生命保険の最新事情〜

公開日:2026-09-14 00:00

目次

■はじめに


「おひとりさま」という言葉を聞くと、完全な単身者をイメージされる方が多いかもしれません。

しかし、ファイナンシャル・プランナー(FP)として現場で相談をお受けしていると、実に多様な「家族の形」に立ち会います。

その中でも最近増えているのが、あえて戸籍上の婚姻届を出さず、互いを尊重しながら生活を共にする「事実婚(内縁関係)」のおひとりさまです。

 法律上の配偶者ではないため、

万が一のとき、お互いに資産を遺せるのだろうか
認知症などで判断能力が落ちたとき、パートナーに手続きを頼めるのだろうか

といった悩みを抱える方は少なくありません。

今回は、実際に筆者が担当した40代女性の事例をもとに、事実婚カップルが知っておくべき生命保険の最新活用法をお伝えします。

 

■【相談事例】10年以上同棲するパートナーに万が一の備えをしたい(40代女性・Aさん)


先日ご相談に来られたAさん(40代半ば)は、幼い頃にご両親が離婚され、きょうだいとも長年離れ離れで暮らしてきました。

最近になってようやく再会できたものの、関係性は疎遠なままです。

 現在、Aさんには10年以上同棲しているパートナーの男性がいます。

しかし、男性には前妻との間にお子さんがいるため、複雑な権利関係や将来の相続トラブルを避ける目的で、あえて入籍はせず事実婚の形をとっていました。

そんなAさんが抱えていた不安は主に2つです。

「自分が亡くなったとき、長年連れ添ったパートナーにお金を遺したい」
 (法律上の相続人は疎遠なきょうだいになってしまうため)

将来、自分が認知症などで判断能力が低下したとき、パートナーが自分の資金を使って医療や介護の手配をしてくれる仕組みをつくりたい」

法律婚をしていない場合、遺言を作成する方法もありますが、作成の手間や即効性の観点から「まずは生命保険で備えたい」というのがAさんのご希望でした。


■ポイント1:事実婚(内縁)でも死亡保険金の「受取人」になれる

従来の生命保険実務では、保険金の受取人は「配偶者および2親等以内の血族」とするルールが一般的でした。

そのため、事実婚のパートナーを受取人に指定するのはハードルが高い時代がありました。

しかし、多様な家族の形が増えた現在、保険会社の対応も大きく柔軟化しています。

現在では多くの保険会社で、以下の条件などを満たすことで内縁関係のパートナーを保険金受取人に指定できるようになっています。

お互いに戸籍上の配偶者がいないこと
 (重婚的内縁関係でないこと)

一定期間(例:数年間)の同居実績があること
 (住民票の住所や同居記載等で証明を求めるケースもある)

関係を解消した場合は無効、すみやかに受取人変更が必要

 Aさんの場合も、10年以上の同居実績があり、お互いに単身であることが住民票等で確認できたため、問題なくパートナーを受取人とした死亡保険契約を結ぶことができました。

これにより、万が一の際にも疎遠なきょうだいに気兼ねすることなく、長年支え合ってきたパートナーへダイレクトに資金を届けるルートが確保できたのです。


■ポイント2:「契約者代理制度」で生前の認知症・介護リスクにも対応


生命保険の活用は「亡くなった後」だけにとどまりません。

おひとりさまや事実婚カップルにとって、もう一つの大きな壁となるのが「生前、本人の判断能力が低下したときの資金の引き出し」です。

 本来、生命保険の解約や各種変更手続きは契約者本人しか行えません

もし契約者が認知症等で意思表示ができなくなると、解約してまとまった現金を作り、療養費や介護施設への入居費用に充てることが難しくなってしまいます。

 そこで注目したいのが、一部の生命保険会社で導入されている「契約者代理制度(契約者代理特約)」です。

この制度をあらかじめセットしておくと、契約者が認知症等で判断能力を失った際に、事前に指定しておいた「契約者代理人(パートナー)」が契約者に代わって保険の解約等を行うことができます

 解約によって用意できた資金を、本人の介護費用や療養費として適切に充てることができるため、生前の「お金が凍結してしまうリスク」を回避する強力な手段となります。

※パートナーの指定代理請求(医療保険等の給付金をパートナーが代理で請求すること)には慎重な保険会社もありますので、詳しくは保険会社の担当へお問い合わせください。

 

■まとめ:多様化する家族の形だからこそ、専門家に相談を


今回ご紹介したように、法律婚にとらわれない選択をしたおひとりさまであっても、生命保険の最新ルールや特約を上手に組み合わせることで、「生前の資産凍結対策」と「死後の確実な資産移転」の双方を叶えることが可能です。

ただし、注意が必要なのは「保険会社によって取り扱いルールや条件が大きく異なるという点です。

事実婚の確認に必要な書類の範囲や、契約者代理人に指定できる対象者の基準などは、保険会社ごとに違いがあります。

ご自身の意向に合った最適な保険商品を見つけるためには、複数の会社を比較・提案できるFPなどの専門家に相談するのが確実です。

 「うちは法律上の夫婦じゃないから無理かもしれない……」と諦める必要はありません。

あなたと大切なパートナーの未来を守るために、ぜひ一度専門家の扉を叩いてみてください。


【筆者プロフィール】

福本 知輝  (ふくもと ともき

福本FP事務所 代表


西日本を中心に一般の方のライフプランや資産運用に関する幅広いアドバイスは勿論、寺院や公務員向けのセミナーも得意とし、豊富な知識と経験を持つ。「生前対策」から「相続発生後の次世代への引き継ぎ」までを一貫してサポートすることで、お客様の安心と笑顔を大切にしている"笑顔相続専門家"です。

· 広島県相続診断士会 会長   
·  寺院コンサルタント
· 2級ファイナンシャルプランニング技能士
· 相続診断士
· 相続終活ラボ会員(笑顔相続道正会員)
· 終活カウンセラー1
· 縁ディングノートプランナー®

【筆者への問い合わせ先】
福本FP事務所
734-0027   広島県広島市南区仁保南2-18-11
 E-mailtomoki@fuku-fp.com
HP:https://fpfukumoto-life-support.hp.peraichi.com/