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生命保険会社が破綻したらどうなる?~相続対策で知っておきたい「安心」の選び方~

公開日:2026-03-16 00:00

目次

■聞いたことがない保険会社は大丈夫?

「この保険会社、あまり名前を聞きませんが大丈夫でしょうか?もし、私が亡くなる前に潰れてしまったら、保険はどうなるのでしょうか?

これは、筆者が相続対策の相談をお受けした際、実際にお客様からいただいた声です。
相談者のBさんは、銀行から提案された保険会社が外資系で馴染みがなかったため、二の足を踏んでおられました。

生命保険の出番は数十年先になることも珍しくありません。
出口が遠いからこそ、不安を感じるのは当然のことだと思います。

日本の生命保険会社は、令和8年時点で40社存在します。
専門家でもない限り、そのすべてを知っている人はいないでしょう。

万が一、預け先が破綻してしまったら生命保険はどうなってしまうのでしょうか。

保険会社が破綻したとき


生命保険契約を守る「セーフティネット」

結論から言うと、たとえ保険会社が破綻しても保険がすべてなくなるわけではありません。
「生命保険契約者保護機構」という制度があり、万が一に備えた仕組みが整っています。
破綻した会社の契約は、原則として他の保険会社に引き継がれ、維持される仕組みになっています。

ただし、注意点もあります。
それは「全額が補償されるわけではない」ということです。
生命保険には、将来の保険金支払いに備えて積み立てられている「責任準備金」というものがあり、
保護機構が補償するのは、この「
90%まで」と定められています。 

「全額補償ではないの?」と不安を感じるかもしれません。
しかし、これは他の金融商品でも同様です。

例えば銀行預金も、
万が一銀行が破綻した場合には「ペイオフ(預金保険制度)」によって、全額が保証されるわけではありません

(原則、1預金者あたり元本1,000万円まで)

 保険もそれと同じく、90%という高い水準で土台となる守りがあります。
「全額ではないものの、ほとんどが守られる」という仕組みがあるからこそ、大きな混乱の中でも大切な「保障」を継続することができるのです。


保険会社の「健康状態」を見極めるヒント

では、私たちは何を基準に「安心できる保険会社」を選べばよいのでしょうか。
一般的に、以下の3つの指標が参考にされています。
 

ソルベンシー・マージン比率
「大災害などの予測不能な事態が起きても支払いが可能か?」という余力を示す数字です。
行政基準は200%ですが、これを下回ると早期是正措置命令(業務改善の命令など)が発動します。
いわば「これ以下は赤点」というボーダーラインです。 
国内大手と言われる保険会社は目安として、
600%800%以上を保っていることが多いです。

格付け(第三者からの評価)
 格付会社という専門の評価機関が出す、いわば会社の「通信簿」です。
AA」や「A」といった記号で、財務の安定性を客観的に評価しています。

基礎利益(本業の稼ぐ力)
保険会社が本業の保険事業で、どれだけ安定して利益を出しているかという数字です。
一時的な運用益に頼らず、コツコツと本業で稼げているかは、長期的な安定性を見極めるポイントです。


「数字」の先にある「人」の存在

ここまで指標についてお伝えしましたが、これらを常に個人でチェックし続けるのは、時間も労力もかかります。
保険は一度加入すると長い付き合いになります。
加入時の数字が良いのはもちろんですが、その後の変化にも気を配る必要があります

そこで、保険選びにおいてもう一つ大切にしていただきたいのが、「必要なときに、いつでも相談できる担当者」です。

相続対策は、保険に入ったときがゴールではなく、そこからがスタートです。
信頼できる担当者であれば、契約時に会社の健全性について分かりやすく説明してくれるのはもちろん、契約後も業界や会社の状況に変化があれば、情報を提供してくれるでしょう。
自分一人で難しい数字を追いかけなくても、頼れるフィルターがそばにあることは、大きな安心感に繋がります。
 

また、いざ相続が発生した際、ご家族は心身ともに大変な状況にあります。
そんな時に、煩雑な書類手続きをサポートし、一番の理解者として動いてくれる担当者がいるかどうか。

万が一の破綻時であっても、あるいは無事に相続を迎えたとしても、
「想いを形にする手続き」を支えてくれるのは、最終的には」の力なのです。


■保険は出口が大事

生命保険は、ただ加入しているだけで安心するのではなく、
出口である「相続」のときに、
確実にご家族へ想いを届ける形にしておく
ことが何より大切です。

そのためにも、「契約して終わり」にせず、
ずっと見守り続けられる環境を整えておきましょう。

相続対策としての保険選びは、
「数字」という客観的な指標で健全性を確認するとともに、
出口まで伴走してくれる「人」の視点をあわせて持つと良いでしょう。
 

 

【筆者プロフィール】

福本 知輝 (ふくもと ともき
福本FP事務所 代表


西日本を中心に一般の方のライフプランや資産運用に関する幅広いアドバイスは勿論、寺院や公務員向けのセミナーも得意とし、豊富な知識と経験を持つ。「生前対策」から「相続発生後の次世代への引き継ぎ」までを一貫してサポートすることで、お客様の安心と笑顔を大切にしている"笑顔相続専門家"です。

・広島県相続診断士会 会長
寺院コンサルタント
2級ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士
笑顔相続道正会員
・終活カウンセラー1
・縁ディングノートプランナー®

 【筆者への問い合わせ先】

 福本FP事務所
 〒734-0027
 広島県広島市南区仁保南2-18-11
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