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直葬という選択から学んだ後悔しない送り方―専門家として伝えたい備え

公開日:2026-04-13 00:00

目次

皆さんは直葬を経験されたことはありますか? 

今回のコラムでは、
先日、高齢の父親の葬儀を「直葬」で執り行い、
その経験から筆者が感じた葬儀の選び方と専門家として
直葬で後悔しないためのポイントをお伝えします。


■お葬式の意義と形式

お葬式とは、故人を弔いその人の人生を偲びながら
遺族・親族が最後のお別れをする宗教的・社会的な儀式であり、
主に「お通夜」と「告別式」を行います。

身内や親しい人だけで行うのが「家族葬
友人や知人など広く招くのが「一般葬

通常は2日行いますが、1日で行う場合(一日葬)もあります。

一方で、火葬式直葬
祭壇も葬儀も無く、火葬とわずかなお別れの時間のみ
という短時間かつ少人数で執り行われます。

他にも無宗教葬自由葬などがあり、
葬儀のスタイルは多様化してきています。

 

■直葬のメリット・デメリット

筆者が経験した直葬はもっともシンプルな形式であり、
多くは、高齢者や身寄りのないおひとり様が選ぶものとしてイメージされるのではないでしょうか

ごく一般的な家庭で「直葬」を選択するのはまだ珍しく、実感したメリット・デメリットは以下の通りです。

直葬のメリット》

 ① 費用が抑えられるので経済的負担が少ない

 ② 準備や手配、移動など家族への精神的・身体的負担が少ない


《直葬のデメリット》

 ① 儀式的なものがないため、お別れをした実感がわきにくい
  (短時間で送るので、気持ちの整理がつかない場合があります)

 ② 認識の違いで親族からクレームがおこり、のちにトラブルに発展してしまうことがある

ライフスタイルの変化や、
シンプルで経済的負担が少ないことから「直葬」を選ぶ人、
また、生前に「自分の葬儀はしなくていい」と考え「直葬」を選ぶこともあり、そのとらえ方は大きく変わってきています。

注意すべきは、「シンプルだけど配慮が必要」だということ。
お金や手間がかからないということだけで選ぶと、落とし穴に落ちてしまうかもしれません。

実際、父とは前日に対面することがかなわず火葬前の数分の対面のみで、あまりにあっけないお別れとなりました。

また、火葬前に読経をしていただいたのですが、
火葬炉がいくつか並んでいたので、他にもお見送りの方がいて、読経の声が交じり合うというような状況でもありました。
 

このように直葬だけでなく、様々な形式の葬儀にはメリット・デメリットがあるので、選ぶ前に知っておいてほしいと思います。

 

■相続コンサルタントとして伝えたいこと

この経験から
どのようなお葬式にしたいか」をしっかり考えておくことの大切さを
再認識することができました。

たいていは亡くなる少し前、もしくは亡くなった直後に決めるため、
すでに本人とは話しができない状況の中、家族が選ぶという流れが多くなります。

亡くなった直後、家族は精神的な動揺もあり、
するべき手続きもたくさんあることから、
葬儀のことをゆっくり考えている時間はありません

まわりに勧められるまま決めてしまうことのないように、
事前にしっかり考えておくことは、とても大切です。

もし直葬を選ぶのであれば、
葬儀社にまかせっきりにしないよう
意向をしっかりと伝え、
それがかなえられる式にできるのか打合せが必要
です。

「こんなはずじゃなかった」と後悔しても取り返しはつきません。

特に高齢のご親族へは、
直葬にした理由故人や家族の想いをきちんと伝えておくと
後のトラブルのリスクを下げる
ことができます。

もし、お葬式の形式や葬儀社選びに迷った場合は、
生前対策の一つとして、
専門家のサポートを受けてみてはいかがでしょうか。

「費用を抑えたい」
「静かに送ってほしい」
「にぎやかに送ってほしい」
「この人を呼びたい」など・・・

本人や家族の想いを受け止め、
適切なアドバイスを受けることができます

さらに葬儀社の見学や見積もりなどしておけば、
費用の捻出についての具体的な対策することができ、
残された家族に心配をかけることもありません。

 


ディングノートを活用する

とはいえ、普段はなかなか触れにくい話題でもあります。
そんな時には縁ディングノートを活用し、
家族で話しながら書き記しておきましょう。

気持ちが共有できれば、もしもの時、
家族も迷うことなく想いを叶えることができます。

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■直葬を終えた今

同居し面倒をみてくれていた姉が選んだ「直葬」という形に、
最初はさみしく感じたものの、時間が経つにつれ、
きっと父親は娘とたくさんの孫や曾孫に見送られて
幸せだったのではないかと思えるようになりました。

葬儀に対する考え方は人それぞれ、
直葬だから供養が足りないということはありません。

その葬儀を選んだ故人・家族の想い、
そしてご先祖様をずっと大切にしていく気持ちが大事であり、
さらに残された家族が幸せになっていくことが
故人への大きな供養となってくれると改めて感じました。


 【筆者プロフィール】                

谷口 江利子(たにぐち えりこ)

相続コンサルタント
株式会社 谷口総合相続事務所 代表


大阪を中心に相談会やセミナーを開催。
縁ディングノートの大切さを伝えながら、
将来への不安が希望に変わるお手伝いをしています。

生前対策から死後事務まで、
士業と連携しながらトータルで相続のサポートさせていただきます。

【資格・活動】

・縁ディングノートプランナー®
・相続診断士
・福祉住環境コーディネーター2
縁ディングノートプランナー 大阪支部 事務局
・相続終活ラボ会員
・おひとりさま相続相談窓口 ふくろう

【筆者へのお問い合わせ先】
株式会社 谷口総合相続事務所
電話:070-7571-4389
Email:taniguchi@ts-souzoku.co.jp