保険が多すぎて把握できないときは？

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■生命保険の何に、いくら入っているのかわからない

「生命保険にたくさん入っているのは分かるのですが、何に、いくら入っているのかが全く分からないんです」

これは筆者へお問い合わせいただいた実際のお客様の相談事例です。 

相談者であるＡさんのご主人はこれまで、
付き合いのある保険営業・知人の紹介・職場関係など、
さまざまなルートで生命保険に加入してきました。
しかも転勤族のため、その時々で加入窓口が異なっていました。

またクレジットカード払いと口座振替が混在しており、家計を管理する奥様は、全体像を把握しづらく困っておられました。

保険はこれまでご主人が管理をされてきましたが、仕事が忙しくなり奥様が引き継ぐことになりました。
ただ、保険証券や保険会社からの郵送物も整理されておらず、「探せばどこかにあるはず」という状態。

ご主人もどれだけ加入しているのかよく覚えていません。
しかし保険料と思われる支払いが毎月多く引き落とされているため、奥様は不安に感じていました。

 生命保険には形がありません。
どうやって保険を特定するのでしょうか。

■生命保険契約の特定の仕方

生命保険は原則、契約者本人からの問い合わせでなければ保険会社も情報を開示できません。

しかし、そもそも加入している保険会社が分からないと問い合わせのしようがないのです。
そのため、契約者本人やそのご家族が契約内容を特定するための手がかりについてご紹介します。

① 保険の担当者が分かれば、まず連絡をする

生命保険は原則対面で加入しますので、「この人から保険に入った」という記憶はあるはずです。

また保険の担当者は、お客様に保険契約をしてもらう場合は重複がないか確認するうえでも、他社で加入しているものを事前に聞くことが多いので、「私以外で〇〇保険にも入っておられたと思いますよ」と手がかりを教えてもらえるかもしれません。

② 郵送物を探す

保険会社は、少なくとも年に1回は契約者に対して、控除証明書、契約内容のお知らせを郵送します。
ただし控除証明書は現在払込中の契約について発行されるため、払込が終わった契約は把握できません。
また、保険会社によってはペーパーレス化しているところもありますので、そちらを選んでいる場合は注意が必要です。

③ クレジットカードの明細を確認

カード明細に記載された会社名から保険会社を特定できるケースは多いです。
保険会社名が分かればそちらに問い合わせましょう。

通帳の履歴も重要なヒントになります。
収納会社名から保険会社を特定できることもあります。

⑤ 保険会社名が分かれば、契約者本人が問い合わせる

契約者本人が電話で照会すればすぐに分かります。 

担当者に聞く方法で分かれば一番早いですが、そうでない場合は保険契約の特定には時間と労力がかかります。
保険は「もしも」の時に役立つものですが、その「もしも」の際は契約者が動けない可能性が多いため、どう管理するのが良いのでしょうか。

■保険の管理方法

①エンディングノートに保険情報を書いておく

最低限、保険会社名と連絡先だけでもエンディングノートに書いておきましょう。
担当者名がわかる場合は、担当者名も記載しておくのもおススメです。

また、保険証券をエンディングノートと一緒に保管しておいても良いでしょう。

②保険料の引き落としは統一する

クレジットカードでも口座振替でも、ひとまとめにしたほうが管理は容易ですし、支出の把握にもつながります。

③新たに加入したらWebサービスに登録する

最近では、保険会社のWebサービスが充実しています。
パスワード管理は必要になりますが、同じ保険会社内であれば契約内容を名寄せして確認できるため便利です。

 ④保険担当の窓口を一本化する

すぐには難しいかもしれませんが、これが一番確実です。
できれば複数社を扱える総合保険代理店が望ましいでしょう。

■生命保険の力を最大限に生かすために

生命保険は、入っているだけでは意味がありません。
きちんと使える形にしておくのも契約した本人の責任ではないでしょうか。 

保険契約自体は単独で行うことができますが、
「保険は自分と家族のためのもの」
「保険を使うときは家族の協力が必要」
ということを念頭において、ご自身に合わせた管理方法を選びましょう。

【筆者プロフィール】

福本 知輝 (ふくもと ともき) 
福本FP事務所　代表

西日本を中心に一般の方のライフプランや資産運用に関する幅広いアドバイスは勿論、寺院や公務員向けのセミナーも得意とし、豊富な知識と経験を持つ。
「生前対策」から「相続発生後の次世代への引き継ぎ」までを一貫してサポートすることで、お客様の安心と笑顔を大切にしている"笑顔相続専門家"です。

・広島県相続診断士会　会長
・寺院コンサルタント
・2級ファイナンシャルプランニング技能士
・相続診断士
・笑顔相続道正会員
・終活カウンセラー1級
・縁ディングノートプランナー®

 【筆者への問い合わせ先】

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