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生命保険信託ってご存じですか? —大切なお金を“安全に・必要なときに”届ける仕組み

公開日:2025-09-01 12:00

目次

■  まずは「生命保険信託」とは?

生命保険信託は、亡くなったあとに受け取れる生命保険金を、信託会社や信託銀行にいったん預けて管理してもらい、あらかじめ決めたルール通りに渡してもらう仕組みです。

普通の生命保険では、受取人に大金が一度に振り込まれます。
でも、もし受取人が 認知症 だったり、未成年 だったりしたら、その大金をすぐに管理・活用するのは難しいですよね。

そんな時に役立つのが「生命保険信託」になります。


■こんなときに役立ちます

ご家族が認知症になったとき

大金を一度に渡してしまうと、本人が管理できない可能性があります。
信託を使えば、
毎月20万円ずつ生活費として渡す
といった形に設定でき、安心が続きます。


未成年の子がいるとき

未成年の子が受取人になると、実際に保険金を管理するのは親権者や後見人です。
そのため、子のために使うべきお金が、保護者の生活費や借金返済に流用されてしまうリスクもあります。

 

生命保険信託を使えば
18歳までは毎月一定額、大学進学時に学費として一部支給、残りは成人後に一括」
といったルールをあらかじめ決めておき、信託会社が直接管理して支払います。
これにより、確実に子のためにお金が使われる仕組みが作れるのです。

 

■ 実際にはどんな費用がかかるの?

生命保険信託は安心の仕組みですが、信託会社にお願いするための費用(手数料)がかかります。

一般的には、

  • 契約時にかかる費用(契約書の作成など事務手数料)
  • 保険金を受け取るときにかかる費用(一括か分割かによって異なる)
  • 毎年の管理費用(信託会社がお金を管理していくためのコスト)

が設定されています。

 

■  安心を守るために必要なコストとは?

「なぜ無料ではないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

信託では、信託会社が大切なお金を安全に管理し、決められた時期や金額をきちんと受取人に届けてくれます
そのために口座の管理、税務処理、分配の手続きなど、専門的な作業が行われます。

こうした作業を代わりに担ってもらうからこそ、認知症や未成年の方でも安心してお金を受け取れる仕組みになるのです。
この「安心を守るためのコスト」が、信託手数料と考えるとわかりやすいでしょう。

 

■ 注意しておきたいポイント

ここで知っていただきたいのは、生命保険信託はすべての保険会社で扱っているわけではないということです。

  • ・保険会社によっては取り扱いがない場合もあります
  • ・信託会社や信託銀行との提携がある保険だけが対象になります
  • ・利用したい方は、必ず「契約している保険会社に生命保険信託の取扱いがあるか」を確認してみてください

つまり、検討するときは「保険の内容」だけでなく、「信託が使える商品かどうか」もポイントになるのです。

 

■  生命保険信託を考えてみませんか?

  • ・ご家族が認知症になったら?
  • ・子が未成年だったら?
  • ・一度に大金を渡すのが不安ではありませんか?

生命保険信託は、そうした不安を解消し、「残すお金」を「活かすお金」に変える仕組みです。

ただし利用できるかどうかは保険会社によって異なります。

まずはご自身が加入している保険会社に「生命保険信託の取扱いがあるか」を問い合わせてみてください。

 

 【執筆者プロフィール】

昆 充芳 (こん みよし)

  • 終活・相続の相談室
  • MFC合同会社代表社員・保険代理店所属


昆 充芳

相続診断士・終活カウンセラー・古民家鑑定士・ファイナンシャルプランナー・などの資格を持ち相続にまつわるお困り事を、頼りになる各相続に関する専門士・士業達とチームを組み、生前の贈与・遺言書から相続発生までワンストップでトータルにサポートしております。
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