カテゴリー検索

お盆だからこそ、家族で未来を語る時間を

公開日:2025-08-11 00:00

目次

■ お盆の由来

お盆――。

正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、仏教行事として先祖の霊を迎え、供養する期間です。

日本では古くから、813日に迎え火を焚いてご先祖さまをお迎えし、
16日に送り火でお見送りする習わしがあります。
地域によっては旧暦や7月に行う所もあり、精霊馬(しょうりょううま)や灯籠流しなど、土地ごとの風習が受け継がれています。

お盆の由来をたどると、お釈迦さまの弟子が亡き母の苦しみを救おうと、多くの僧に施しをしたという故事に行き着きます。

つまり、お盆は「感謝」と「供養」の心を形にする期間

年に一度、ご先祖さまが帰ってくると信じられ、家族が集まり、過去と未来をつなぐ大切な時間なのです。


 

■ 思い出を語る時間

お盆に集まったら、ぜひ「昔話の時間」を作ってみましょう。

子ども時代の思い出や、祖父母とのエピソード家族旅行の笑い話――
そうした記憶は、時を経るほど価値を増します。

写真アルバムや古い手紙を囲みながら、「あの時はね…」と語ると、不思議と心が温かくなり、世代を超えたつながりを実感できます。

 また、思い出話は単なる懐古ではなく、「今の自分たちがどうやってここまで来たのか」を確認する作業でもあります。
過去を知ることは、自分のルーツを知ること。これは若い世代への最高の贈り物になります。

 

■ 未来を語る時間

せっかく家族が揃うお盆だからこそ、「これから」の話もしてみませんか。

将来どこで暮らしたいかどんな暮らしを望むか老後の過ごし方家や土地をどうしていきたいか――
普段は口にしづらいテーマも、この時期なら自然に切り出せます。

 お盆は過去と未来をつなぐ“中間点”のような存在です。

ご先祖さまの歩んだ道を振り返りつつ、これからの道をどう描くか。
家族で方向性を共有しておくことで、いざという時の迷いや衝突を減らすことができます。

 

■ 終活への自然な入口

「終活」と聞くと重く感じる方もいますが、お盆の団らんは実は絶好のきっかけです。

「もしも」の話や、財産や遺品のこと介護や医療の希望――
これらを元気なうちに話し合っておくことは、残される人への大きな思いやりです。

 例えば縁ディングノート」に自分の想いを書き残すのも一案です。

葬儀やお墓の希望だけでなく、譲りたい品や伝えたい言葉、感謝のメッセージを記しておくことで、家族は安心し、そして悲しみの中にも温もりを感じられるでしょう。

 

■ ご先祖さまへの感謝

最後に、感謝の時間を持ちましょう。

私たちが今ここにいるのは、ご先祖さまが命をつなぎ、日々を懸命に生き抜いてくれたからこそ。
お墓や仏壇の前で、手を合わせて「ありがとう」と伝える――
それだけでも心が整い、明日への力になります。

 お盆は、単なる行事ではなく「命と心をつなぐ時間」です。

今年のお盆は、思い出を語り、未来を描き、感謝を届ける――
そんなひとときを過ごしてみませんか。
きっと、ご先祖さまも微笑んで見守ってくれるはずです。



【筆者プロフィール】

一橋香織(ひとつばしかおり)


一橋香織


  • 《経歴》
  • 外資系金融機関を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。
  • これまで18年で6,000件以上の相続相談の実績。
  • 自身の家族で争う相続を経験し、相続の大事なゴールは「縁まんな相続」と実感。
  • 「争う相続をなくし、縁まんな相続の実現」を理念とし、日々お客様と対峙している中で節税優位の相続対策ではなく、笑顔で相続が迎えられる相続の実現のための活動を行っている。


  • 《メディア出演》
  • TBSNスタ」「ビビット」
  • テレビ朝日「たけしのTVタックル」
  • TBSテレビ「バイキングmoreなど)多数。