カテゴリー検索

これからの時代に求められる「相続コンサルタント」とは?

公開日:2025-05-19 00:00

目次

■ 相続コンサルタントとは?弁護士や税理士との違いと役割

相続コンサルタント」という言葉を初めて聞かれる方もいらっしゃるかもしれません。
相続といえば税理士や弁護士などの士業に相談するもの、というイメージを持たれている方が多いのが実情です。

ですが、今、相続の現場では「お金」や「法律」の問題だけでは済まないケースが増えています。家族関係の変化高齢化認知症の進行、そして「誰に相談してよいか分からない」という漠然とした不安を抱える方が急増しているのです。

相続コンサルタントは、こうした時代背景を踏まえて誕生した比較的新しい専門職です。


■ 相続コンサルタントの具体的支援内容

法律や税務の専門家と異なり、相談者ご本人やそのご家族に寄り添いながら、縁ディングノートの活用支援遺言作成のサポート保険や不動産の見直し死後事務の準備など、幅広い分野を横断して支援するのが特徴です。
また、相続に強い士業や各種専門家とチームを組み、必要に応じて最適なサポート体制を整えることも、大きな役割のひとつです。

特に重要なのは、「準備の前に、まず何から始めたらいいのか分からない」という方に対して、一緒に棚卸しをしながら思考の整理をお手伝いする点です。
たとえば「おひとりさま」や「子どもがいないご夫婦」、あるいは「親族との関係に悩みがある方」など、一般的な相続モデルに当てはまらないケースも少なくありません。
相続コンサルタントは、そうした個別事情に合わせて、まさにオーダーメイドで対策プランを組み立てていきます。

特に、相続コンサルタントは、法律や制度を正しく理解し、**「コンプライアンス(法令遵守・業際遵守・情報保護など)」**に細心の注意を払って活動しています。
(※業際遵守:弁護士や税理士など、専門家にしかできない業務には踏み込まないよう注意すること)

専門家の職域を侵さず、お客様の大切な情報を守りながら、安心して相談いただける体制づくりに努めています。

また、相談内容や必要な対策に応じて、弁護士・税理士・司法書士などの専門家と連携しながら、相談者にとって最適なチームを編成します。

このとき相続コンサルタントは、単なる連携役ではなく、全体を見渡して指針を示す「チームの司令塔」としての役割を果たします。各分野の専門家の強みを活かしながら、相談者にとって最もスムーズで実効性のある相続の着地を導く存在――それが、相続コンサルタントなのです。


■ 増える相続コンサルタントの活動の場

近年では、終活・相続セミナー縁ディングノートの書き方講座を通じて、相続コンサルタントの活動に触れる機会も増えてきたのではないでしょうか。
筆者が特に重視しているのが、家族の想いや将来の方向性を丁寧に言語化し、円滑な意思共有につなげていく支援です。
関係者の気持ちに配慮しながら、互いの理解を深め、トラブルを未然に防ぐ調整役としての役割も果たします。

相続コンサルタントとして活動するうえで、筆者が大切にしているモットーがあります。
それは、「正解はその家族ごとにある」ということ。
相続コンサルタントの仕事は、専門家の視点からの正解を押し付けることではなく、そのご家族の中に眠っている正解を一緒に導き出すことです。

家族構成、経済状況、人間関係、価値観――どれ一つとして同じものはありません。

だからこそ、テンプレートではなく、対話と傾聴を通じたその方だけの相続のカタチを共に探していくことが、筆者の使命だと考えています。


■ 信頼できる相続コンサルタントとは

もう一つ、大切にしている考え方があります。
それは「知識は礼儀」という姿勢です。相続の現場は、ときに人生の最終章に寄り添う、とても繊細で責任のある仕事です。中途半端な知識で対応してしまえば、かえって不安を与えてしまうことにもなりかねません。だからこそ、相続コンサルタントは常に自己研鑽を怠らず、最新の制度や実務に触れ続ける努力が求められます。

信頼される存在であり続けるために、学び続ける姿勢は不可欠です。


■ “想いをつなぐ相続”を支える相続コンサルタントの使命

今後、日本では高齢単身者がますます増え、認知症や介護の問題も深刻化していくと予想されています。

相続とは財産を分けることだけではなく、想いをつなぐこと
その想いのバトンを、家族の絆とともに、しっかりと次の世代へと手渡していく。
筆者は、相続コンサルタントとして、ご家族それぞれの「答え」を共に見つけ、未来へつなぐお手伝いを続けてまいります。

一橋香織 今後求められる「相続コンサルタント」とは?


【筆者プロフィール】

一橋 香織(ひとつばし かおり)


  • 《経歴》
  • 外資系金融機関を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。
  • これまで18年で6,000件以上の相続相談の実績。
  • 自身の家族で争う相続を経験し、相続の大事なゴールは「縁まんな相続」と実感。
  • 「争う相続をなくし、縁まんな相続の実現」を理念とし、日々お客様と対峙している中で節税優位の相続対策ではなく、笑顔で相続が迎えられる相続の実現のための活動を行っている。


  • 《メディア出演》
  • TBSNスタ」「ビビット」
  • テレビ朝日「たけしのTVタックル」
  • TBSテレビ「バイキングmoreなど)多数。