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おひとりさまが増え続ける日本の今後を考察

公開日:2025-04-21 00:00

目次

■ 日本の現状

令和5年度の死亡者数は約157万人に対し、出生者数は70万人を下回りました。

成人男性の3人に1人が生涯未婚であり、女性は1人の子を産むかどうかの状況です。このままでは人口減少が続くのも当然と言えます。

さらに、65歳以上の世帯のうち、一人暮らしの世帯や将来的に一人暮らしになる世帯はすでに84に達しており、驚くべき現状です。

これらの数字を踏まえ、日本の今後について筆者なりの視点で考察します。

【65歳以上の者のいる世帯の状況】

(引用:2023(R5)年「国民生活基礎調査の概況; 1.世帯数と世帯人員の状況)


■ 「おひとりさま」とは?

まず、おひとりさまの定義を整理しましょう。

  • 子のいない夫婦
  • 一人暮らしの人
  • 親も子もきょうだいもいない人
  • 子やきょうだいはいるが疎遠、または事情があって頼れない一人暮らしの人

筆者はこのように定義しています。


■ 「おひとりさま」は何に困るのか?

おひとりさまが直面する問題は多岐にわたります。

  • 介護が必要になった時に世話をしてくれる人がいない
  • 入院や手術の際の同意書を誰に書いてもらうか
  • 高齢になってから部屋が借りにくい
  • 財産を残す相手がいない、もしくは疎遠な甥や姪に残したくない
  • 人生100年時代にお金が足りるか不安
  • 亡くなった時に死亡届の提出火葬・納骨を誰が行うのか
  • クレジットカードの解約、パソコンのデータ消去遺品整理を誰がするのか


これらの相談は、おひとりさま向けの相続セミナーで多く寄せられています。

相続の専門家に相談すれば解決策は見つかりますが、増加するおひとりさまに対応できる専門家が不足しているのが現状です。


■ 日本の今後の展望

国の長期的な人口動態予測では、2040年までに約896の市区町村が消滅の危機に瀕しています。

特に2039歳の女性人口が50%以下になる地域が多く、晩婚化・晩産化が進む中で結婚・出産率の向上が急務です。

例えば、2530歳の女性の結婚率を40%から60%に上げることで、合計特殊出生率は1.8に改善するとされています。

合計特殊出生率の推移

(引用:NHK首都圏ナビ)


■ 「おひとりさま」の増加が引き起こす社会的課題と今後の対応


*日本ではおひとりさまが増加し、人口減少や高齢化が進行している

*おひとりさまは介護や相続などで多くの課題を抱えている

*社会的・経済的・文化的背景が複雑に絡み合い増加傾向が続く

*相続トラブルを避けるために遺言書の作成と遺言執行者の指定が不可欠

地域社会や国の政策による支援と理解が今後ますます重要になる

 

これらの課題に対して、個人だけでなく社会全体での対応が求められていると考えます。





【筆者プロフィール】

一橋 香織(ひとつばし かおり)

  • 笑顔相続コンサルティング株式会社 
  • 代表取締役 笑顔相続サロン®本部 代表
  • 一般社団法人縁ディングノートプランニング協会代表理事
  • 一般社団法人アクセス相続センター 理事 

  • 《経歴》
  • 外資系金融機関を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。
  • これまで18年で6,000件以上の相続相談の実績。
  • 自身の家族で争う相続を経験し、相続の大事なゴールは「笑顔相続」と実感。
  • 「争う相続をなくし、笑顔相続の実現」を理念とし、日々お客様と対峙している中で節税優位の相続対策ではなく、笑顔で相続が迎えられる相続の実現のための活動を行っている。

  • 《メディア出演》
  • TBSNスタ」「ビビット」
  • テレビ朝日「たけしのTVタックル」
  • TBSテレビ「バイキングmoreなど)多数。