別れたとしても相続人
公開日:2025-04-07 19:58
目次
■ 離婚後に考えるべきポイント
離婚は人生の大きな転機であり、新しい道を歩む決断をすることもあります。
しかし、家族のつながりや法的な関係は簡単には断ち切ることができないものです。特に、元配偶者との間に子がいる場合、相続に関する問題は無視できない重要なテーマとなります。
法律上、離婚をしたとしても、子は親の相続人であり続けます。これは親権がどちらにあるか、また実際に親子関係がどのように継続しているかにかかわらず変わることはありません。この事実を理解し、相続について適切な準備をすることは、大切な人たちに対する思いやりであると言えるでしょう。
どんな対策が必要なのか一緒に考えてみましょう。
■ 離婚後も考えるべき相続の重要性
筆者自身、元夫のもとに二人の息子を残して離婚し、自分の人生を歩む選択をしました。しかし、子たちが私の財産をどのように受け継ぐのかを考える機会は、時間の経過とともにやってきました。離れて暮らしているからこそ、自分の意思をきちんと伝える必要性に気付いたのです。
離婚をしても子たちはあなたの財産の相続人です。この現実を踏まえ、次のような対策を考えることが未来の安心感につながります。
■ 遺言書の作成
遺言書は、財産の分配について明確な意思を示すための有効な手段です。これにより、法的なトラブルや誤解を防ぐことができます。
たとえば、筆者の場合、現在経営している会社や分けにくい賃貸不動産を所有しています。このような分けにくい財産が資産の大半を占めている場合は特に注意が必要です。財産を息子たちに公平に分配するというだけでなく、エンディングノートも活用して、「介護・医療・葬儀・お墓」についても意思表示をすることも重要です。
遺言書とエンディングノートをセットで遺すことにより、筆者自身がどのような人生を過ごして、どのような仲間がいたのか。金銭的な価値の分配だけではなく、想いを遺すことで精神的な支えになると思われます。
■ 家族との対話
離婚後も家族とのコミュニケーションを大切にすることで、相続準備が円滑に進むことがあります。
筆者自身、息子たちが小学生の時においてでてきてしまっており、元夫への恐怖心からこちらから接触をはかることに大きな抵抗とためらいがありました。
line は既読スルーだったため、恨みが実はあるのではないかと心配していましたが、相続診断士仲間に「息子が母親のlineを既読スルーするのは当たり前だから気にしちゃだめ」と背中を押されたおかげで、年に一度ですが食事をする機会を得ることができました。
定期的な面会ときちんとした相続対策を行っていることを伝えることで、万が一の時に慌てずに済むと考えています。
■「未来への安心」を形にする
離婚を経験したからこそ、相続対策に慎重になる必要があります。
それは、あなた自身の未来の安心感だけでなく、家族に対する愛情を具体的に示す行動でもあります。
遺言書の作成、エンディングノートの活用、そして家族との対話――これらは、あなたの意思を伝え、子らとの絆を深めるための大切なステップです。
「別れたとしても相続人」という現実を受け入れ、未来への準備を今から始めてみてはいかがでしょうか。大切な人たちに対する思いやりが、安心した明日を迎える力となります。
2025年4月4日 31歳の誕生日 心よりの愛をこめて 母より
【筆者プロフィール】
稲場 晃美 (人生を豊かにする終活と不動産相続のコンシェルジュ)
- 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(AFP)
- 縁ディングノートプランナー™
- 相続診断士・笑顔相続道正会員
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