昨今、おひとり様・おふたり様という言葉をよく耳にする様になりました。

実際、筆者のところにも
☑子も親もいない方
☑子のいないご夫婦
といった方からのご相談が増えています。

このデータは、おひとり様及びおふたり様世帯が65歳以上の世帯の約64%に上るということを示しているものです。

男性の生涯未婚率も令和5年度は28.25%、女性の特殊出生率は東京都では0.99人という数字からもおひとり様・おふたり様が増加していることがお分かりいただけると思います。
 では、おひとり様・おふたり様は何を対策しておけばいいのでしょうか?

介護・認知・病気・財産・死後の事務と数え上げればキリがないことをきちんと整備して対策しておかないといざという時に自分自身が望まない結果となってしまう場合があるため、我々専門家は少なくとも以下の5つは対策しておく方がいいですよとアドバイスしています。

見守り契約

自宅で倒れても誰かに発見してもらい、すぐに救急搬送してもらえるような仕組みを作っておく契約です。民間の会社が提供しているサービスを利用するのも一つの方法でしょう。

委任契約・任意後見契約

委任契約は、判断能力が十分にあるうちに、特定の事務を他の人に任せる契約です。

例えば、入院や病気などで一時的に援助が必要な場合に備えるものです。

任意後見契約は、将来判断能力が不十分になったときに備えて、あらかじめ信頼できる

人に後見人を任せる契約です。認知症などで判断能力が低下した場合に、財産管理や生

活の支援を受けるためのものです。

どちらも、自分が信頼できる人を選んで契約を結ぶことができる点が特徴です。

きょうだいや甥姪にお願いすることもできますし、逆にきょうだいや甥姪には迷惑を

かけたくないなどの理由で専門家に依頼することもできます。

委任契約は、専門家にお願いした場合、本人が「いつからお願いします」と依頼してか

ら業務が開始され、報酬が発生します。

任意後見契約は、判断能力がなくなった際に家庭裁判所に申立てをし、監督人が選任されたのち、契約で決めた内容を受任者が行います。この契約を専門家と結んだからといって、すぐに報酬が発生したり、実印や通帳を預けるわけではありません。また、いつでも契約は手続きを踏むことで解除することができます(注:監督人選任前と選任後では方法が異なります)。

公正証書遺言(遺言執行者付き)

おひとり様の財産は親・きょうだいがいない場合は国庫に行く可能性が高く、その額が昨年度は769億年に上ったというから驚きです。
また、きょうだいはいても特定のきょうだいにだけ(例えば妹にだけ)自分の財産を渡したい、もしくは渡したくないということもあるかもしれません。

公共事業などに寄付をしたいという方もいらっしゃると思います。

そんな時にそれを実現できるのが公正証書遺言などの遺言を作成する方法です。
この遺言を家族に代わって実現してくれる遺言執行者を指名しておけば確実です。

死後事務委任契約

自分が亡くなった後に必要な事務手続きを、生前に第三者に依頼する契約のことです。例えば、以下のような手続きを依頼することができます。

葬儀や埋葬の手続き: 葬儀社への連絡や埋火葬許可申請など。

親族や知人への連絡: 訃報の連絡や伝言の伝達。

医療費や未払い料金の清算: 病院の未払い医療費や公共料金の支払い。

サービスの解約: 携帯電話やサブスクリプションサービスの解約。

住まいや家財の処分: 賃貸契約の解約や家財の処分。

この契約は、親族がいないおひとり様や親族がいても親族に負担をかけたくない人に

特に有用です。

また、弁護士や司法書士・相続コンサルタントなどの専門家に依頼することが一般的です。

このようにおひとり様・おふたり様を支える仕組みは様々です。
自分自身にとって何が必要で何が必要でないかを含めきちんと考えておきましょう。
その際には事前に縁(エン)ディングノートを活用して整理するといいのではないでしょうか?

一橋 香織(ひとつばし かおり)

笑顔相続コンサルティング株式会社 代表取締役 笑顔相続サロン®本部 代表

一般社団法人縁ディングノートプランニング協会代表理事

一般社団法人アクセス相続センター 理事 

《経歴》

外資系金融機関を経て、ファイナンシャル・プランナーに転身。

これまで17年で5,000件以上の相続相談の実績。

自身の家族で争う相続を経験し、相続の大事なゴールは「笑顔相続」と実感。

「争う相続をなくし、笑顔相続の実現」を理念とし、日々お客様と対峙している中で節税優位の相続対策ではなく、笑顔で相続が迎えられる相続の実現のための活動を行っている。

《メディア出演》(TBS「Nスタ」「ビビット」テレビ朝日「たけしのTVタックル」TBSテレビ「バイキングmoreなど)多数。

《著書》

家族に迷惑をかけたくなければ相続の準備は今すぐしなさい(PHP)

終活・相続の便利帖(日本法令)

はじめての遺言執行(日本法令)共著 その他、日本法令で共著7冊

〒104-0061

東京都中央区銀座一丁目20-14 KDX銀座ビル1F

TEL 03-3567-6777

✉ info@egao-souzokusain.com

HP:https://egao-souzokusalon.com/

オンラインサロン:https://egao-souzoku.com/academy/

【法務監修】
弁護士 大石誠(神奈川県弁護士会所属)

国税局長通知税理士
縁ディングノートプランナー

笑顔相続道®正会員

相続診断士
お問い合わせ先

横浜市中区日本大通17番地 JPR横浜日本大通ビル10階 横浜平和法律事務所

電話:045-663-2294

https://www.ooishimakoto-lawyer.com