ある時66歳の自営業のお客様(H様)から連絡がありました。52歳の奥様、高校3年生の息子の3人家族なのですが、「息子が大学受験に失敗したので浪人することになった。だからまだまだ仕事を頑張らないといけない。」というものでした。
残念な結果ではありましたが、H様の声は明るく、それを聞いて筆者も嬉しくなりました。
というのも、このH様は昨年はじめに前立腺がんを宣告されたのです。かなり重篤な状況だったのですが、その後医師も驚くほど回復され、現在制限はあるもののお仕事が出来るまでになっています。予断を許さぬ状況ではありますが、H様が前を向いて頑張っておられることが何より嬉しかったのです。
●腰痛だと思ったら●
1年前、H様を訪問した際「ゴルフで痛めたのか、どうも最近腰が痛いから接骨院に通っているけど1か月以上治らないんだ。」という話を聞きました。筆者は生命保険の仕事をしており、治らない腰痛から大きな病気が見つかったお客様もいたため、一度病院で診察してみることをお勧めしました。
すると悪い予感は的中。前立腺がんのステージ4で、転移もしていました。
お電話で報告があった時、H様はとても落ち込んでおられました。そこからは目に見えてご体調が悪くなりました。
筆者からがん保険にご加入頂いていたのですぐにお手続きをし、結果的に300万円近く保険金をお支払いすることができました。
しかし心配なのは息子さんです。これから大学受験という大切な時期だったので、H様は当初息子さんには内緒にしていたのですが、悩んだ末に打ち明けました。
H様の事業を引き継ぐため大学受験を頑張っていた成績優秀な息子さんでしたが、相当ショックだったようで勉強が手につかなくなり、順位もどんどん下がっていったそうです。
そこからしばらくたって今度は奥様からお電話がありました。「主治医から色々聞いたがこのあたりの病院のレベルでは恐らく主人はダメだと思う。最近寝顔を見ているとまるで死相が見えるようです。もう長くないかもしれない。ただこのまま諦めたくないから良い病院を知らないですか？」というものでした。
●保険会社の付帯サービスをご存知ですか？●
H様と筆者は家族ぐるみでお付き合いもあり、何とかしてあげたいと思いつつも専門外のことだったので、保険会社の付帯サービスをご紹介することにしました。
それは専門医によるセカンドオピニオンを手配するサービスで、一部の生命保険会社で使えるものです。
このサービスをご利用いただいたところ、紆余曲折ありましたが最終的に県外の医師をご紹介いただくことになりました。遠方になるため交通費はかかるものの、保険金を使って頂くことが出来ました。
そこから治療方法が合ったのか、H様の数値は劇的に改善。医師も驚くほどの回復を見せました。まだまだ予断を許さない状況には変わりなく、通院も続いていますが、現在お仕事も問題なくできるまでになりました。
息子さんも、H様がお元気になるにつれ明るくなってきました。受験の結果は残念でしたが来年再チャレンジすると意気込んでいます。それを見たH様も「ワシはまだ死ねない。息子の為にも頑張るよ」と前向きになられています。
●セカンドオピニオン●
がんの治療は専門性が高く、セカンドオピニオンを活用して、他の専門医を受診し助かったケースはよく耳にします。
しかし、命の差し迫った今回のような状況ですらH様は「主治医を裏切っているようで言いづらい、見放されるのではないか。」とセカンドオピニオンサービスの活用には最後まで抵抗がありました。しかし奥様の強い希望で今回利用することを決意。
詳しくはここに記すことが出来ませんが、結果的に個人ではたどり着けないような優秀な専門医を紹介してもらうことが出来たのは間違いなくこのサービスのおかげです。
奥様からは「あそこで諦めていたら息子の受験まで生きていなかったかもしれない。選択肢と、家族との時間を与えてくれてありがとう。福本さんから保険に入っていて良かったよ。」とありがたいお言葉をいただきました。
●終わりに●
生命保険はどこで加入しても内容は同じです。
しかし、よく調べてみると今回のような無視できない優れた付帯サービスがついているものもありますし、無料で使えるものも多いです。
これを機会にどんな保険に入っているのか、どんなサービスを利用できるのかご自身の保険担当に確認してみてはいかがでしょうか。
福本 知輝(ふくもと ともき)
寺院コンサルタント
2級ファイナンシャルプランニング技能士
相続診断士 笑顔相続道正会員
終活カウンセラー1級
縁ディングノートプランナー
西日本を中心に寺院向けの生命保険、資産運用のご提案、檀信徒さま向けの相続相談業務を行っています。お寺ならではのお悩みに寄り添い、解決するお手伝いを致します。
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