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孤独死・孤立死を避けるためにできること

公開日:2024-03-04 06:00

目次

はじめに

令和4年の出生者が77万人。戦後過去最高に人口が減った年とされておりますが、超高齢者社会の時代は今後とも続くことが懸念されています。また、認知症の発症をきっかけに自宅で住み続けることを断念して施設等へ入所を検討する方が多数見受けられます。わが国の認知症高齢者の数は、2012年で 462 万人、2025年には約 700 万人、65 歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。今、元気なうちにその対策を一緒に考えてみましょう。

自宅を売って施設に入りたいと考えている方は要注意

最近物忘れがひどくなってきた気がする。

そういうことに気づけるうちは、まだ大丈夫という話を聞きますが、実際に認知症になり判断能力が亡くなると、不動産を売る等の法律行為は難しくなります。施設に入ったらもう二度と家には帰れないと覚悟して売却する。その家は誰も引き継ぐ人がいないから売却したい。また、自分の不動産は自分がしっかりしているうちに処分しておきたい。不動産を手放す理由はそれぞれあるとは思いますが、不動産を売却する際に最低限以下のことができることが、原則必要になります。

1 自分の住所氏名が自署できること。

2 自分の生年月日を言えること。

3 自分の意志で売却することを伝えられること。

時々、色々なことを忘れてしまう程度のことは誰にでもあることなので大丈夫です。

認知症と判断されたら、即すべてのことができなくなるわけではありません。

そういう状態になる前に、自分の住んでいた家をどうするのか、元気なうちに話し合っておくことを強くお勧めします。

人生100年過ごすためのライフプランを考えていますか?

〇〇歳になったら考えるのではなく、50代・60代の現役時代から自分が存命のうちはどこで暮らしたいのかイメージをしておくのは有効な対策です。配偶者がいらっしゃる方は、自分の死後もそこの自宅で配偶者だけで暮らしていけるのかどうか。ご家族のサポートが得られるのか、はたまた亡くなったら売却してご家族と同居ないしは近所に引越して住むのかどうか、一人になる前に施設に入所することを検討するのか、自分の介護度がどんな程度になったら、どういう施設に入所できるのかをあらかじめ想像して、施設に支払う資金などが足りなくなったりしないかをライフプランを作成して見える化してみましょう。

Lifull介護より

STOP 孤独死・孤立死のためにできること。

今のご自宅は、自分の平均寿命まで住み続けられる家でしょうか?

耐震に対する備えはもちろんですが、足腰が弱ってくるとちょっとした段差でも躓きやすく、交通事故よりも高齢になってくるにつれて家庭内の不慮の事故で命を落とされるかたも多く見受けられるようです。

普段からご家族や近所の方とコミュニケーションが取れている人は、万が一のことがあっても、発見が早い傾向にあると言われていますが、女性に比べて男性は高齢になるにつれて社会との距離が遠い傾向がある為、発見が遅くなるようなので要注意です。

老後の生活がしやすいように介護リフォーム等を検討するのも大切ですが、家族や地域社会との繋がりをどう保っていくのかも、自宅を維持していく大切なポイントです。

最後に

令和3年10月、国土交通省から「人の死の告知に関するガイドライン」発表されました。概略を申し上げると、「人の自然死・日常生活における不慮の死」については、告知義務に該当しないということになっておりますが、特殊清掃をしなければならないケース等に該当すると、告知事項になってきます。自宅で突然倒れて亡くなってしまうケースを避けられなかったとしても、いわゆる事故物件にしない対策は家族や社会とのコミュニケーションで早期発見できることも可能だと考えます。是非このことも踏まえて、一生どこで暮らしたいのか、誰と暮らしていくのか、どう生きていくのかをライフプランを作成してしっかりと一度検討することを強くお勧めいたします。

稲場 晃美(いなば てるみ)

一社)縁ディングノートプランニング協会 理事
お金と不動産相続のコンシェルジュ
ひとりひとりの気持ちに寄り添い、大切な資産を100年先まで承継するお手伝いをします。

【保有資格】
宅地建物取引士
住宅ローンアドバイザー
2級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)
相続診断士 笑顔相続道正会員
【問い合わせ先】
笑顔相続サロンⓇ上越妙高 
HP https://happy-ending.info