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おひとりさま人生最期のすまいの整え方

公開日:2023-12-25 06:00

目次

はじめに

どなたも今現在、持ち家か賃貸か問わずどこかにお住いのことと思います。

そして、自分の亡き後は必ず誰かに後始末をお願いせざるを得ません。

頼りになる家族がいる人はそれで問題ないのですが、仮に、おひとりさまで誰も頼る先がない。

そんな時にはどう備えていたらいいかを考えてみたいと思います。

1.賃貸住宅に住んでいる場合

筆者は30代・40代の働き盛りの男性が賃貸住宅で突然死しているケースに、何度か遭遇したことがあります。この当時は賃貸住宅内で亡くなった時に対するガイドラインが決められていませんでしたので、室内で突然死=事故物件と扱わざるを得ない時代でした。

しかし、実際の現場にたちあってみて心に残っているのは、事故物件がどうのという以前に、

田舎からでてこられたご両親が、お亡くなりになった息子さんのことを何もご存じなくて、ほとほと困っている姿でした。「勤務先がわからない」「携帯電話のパスワードがわからない」

「どこの銀行に口座があるのかわからない」。何か教えてもらえないだろうかと尋ねたあとで、「すみません。ちゃんと〇〇までに片付けて鍵をお返しいたしますから。」小さい背中をまるめて、息子に先立たれたショックをこらえながらも、懸命に後片付けなさるご両親を見て心が痛いばかりでした。

2.持ち家(マンション)に住んでいる場合

賃貸住宅はいつまで住めるかわからないからと、おひとりさまはマンションを購入する。

そんなケースも多数ですが、若い働き盛りの世代であれば、急に連絡つかず出社しないと会社の人が心配して見に来てくれることもあるかと思いますが、定年後自宅でばったり倒れていたら、誰かかけつけてくれますか?下記の資料にもあるように、東京都区部で発生した孤独死は増加傾向にあり、65歳以上は7割を超えるそうです。年齢を重ねていくと、ご両親というよりご兄弟が最期に後片付けをなさっているケースを散見しますが、その住まいをどうして欲しいのか、遺言書を遺さずにお亡くなりになった場合は、相続人が複数いれば遺産分割協議が必要です。持ち家はひとつしかないのに。

3.財産は預貯金や不動産だけじゃない

住まいに収納してある家財道具や気に入った洋服。広さによって個人差はありますが、どなたも荷物をゼロにしてお亡くなりになることは難しいかと思います。いろいろ煩わしいからと有料老人ホームや施設に入居されるケース等、多数選択肢がありますが、いずれにしてもどなたかに片付けや処分をお願いする必要が出てきます。特に絵画や骨董や貴金属などの評価しにくいものについては、売っていいのか、処分していいのか自分の意志を遺しておくと、片付けを引き受けた側の負担も軽減されます。

4.エンディングノートのススメ

生涯独身の方や、お子様のいらっしゃらないご夫婦などのおひとりさま予備軍の方は、特に遺言書を書くことをおススメいたしますが、自分が何を今持っていて、何を誰に遺したいのか考えるきっかけに最適なのが「エンディングノート」です。

賃貸住宅にお住まいの方は、賃貸借契約書などをエンディングノートと一緒にしておいて、

いざというときに賃貸住宅を管理している管理会社や家主へ連絡が取れるようにしておくのがベターですし、持ち家(マンション)をお持ちの方も同じように、管理会社の連絡先やゴミステーションへの入室方法などのメモがあれば、とても助かると思います。

最後に

人はどこかで必ずお亡くなりになります。病院なのか自宅なのか、そしていつなのかは誰にもわかりません。余命〇か月と言われてから色々準備するのではなく、もしかするとある日突然人生が終了してしまう可能性も否めません。筆者も5年前に主人が自宅で突然死して、おひとりさまです。49歳でした。最初のお母さんのように、「銀行口座ってこれしかないよね」一緒に住んでいながら、全く知りませんでした。パソコンのパスワードが主人の機転でヒントからわかったおかげで、アップルID等がわかりましたが、なんらかしらのメモが残っていなかったら様々な解約処理は難航したことと思います。

とかく、相続対策はお金持ちのやることと誤解されがちですが、実際はパソコンに入っている重要な情報を知りたかったり、携帯履歴から交友関係を知りたかったりと、エンディングノートさえあれば、覗きたくないところへアクセスする必要はなかった気がします。

是非、年末年始に一年の総決算として、「縁ディングノート」縁が続くノートを書いてみましょう。

稲場 晃美(いなば てるみ)

お金と不動産相続のコンサルタント
ひとりひとりの気持ちに寄り添い、大切な資産を100年先まで承継するお手伝いをします。
経営理念「すまいと想いのバトンを繋ぎ、みんなの笑顔を100年先へ」
【保有資格】
宅地建物取引士
住宅ローンアドバイザー
2級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)
相続診断士 笑顔相続道正会員
【問い合わせ先】
笑顔相続サロンⓇ南青山 
HP https://happy-ending.info