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遠方にある実家を笑顔相続するポイント

公開日:2023-06-19 06:00

目次

はじめに

実家を離れてから何十年。いつかは実家に帰ろうかどうしようか。決めかねたまま、月日は流れ、父が他界して母と一緒に暮らし始めたのはいいけれど、実家をどうしたらいいのだろう。誰に相談していいのか、何から手をつけたらいいのかわからない。そんな方が大多数なのではないでしょうか?

筆者は、子供たちに迷惑をかけないように、今のうちに住んでいた我が家を処分しておきたい親世代のお手伝いや、親から実家を相続した後の利活用。はたまた、いずれ親が亡くなった後で、誰も利用する予定のない実家をどうしたらいいか。様々な立場にある相談者のお悩みに寄り添い相談を承ってきました。決して答えは一つではなく、家族の数だけ答えがありますが、実家を笑顔相続するポイントについていくつか触れていきたいと思います。

【実家を相続する前に考えたいこと】

筆者は、これから相続予定の相談者には次のようなことをよくお話しします。

  1.  実家を相続する人が決まっているか。
  2.  実家をどなたも利用する人がいない場合売却したいのか。
  3.  実家に仏壇やお墓がある場合、祭祀はどなたか面倒をみるのか。
  4.  相続する不動産に、「田・畑」等が含まれているか。
  5.  ご実家の片づけは自力でできそうか。

不動産業を営んでいますので、相談者からは「実家がいくらで売れるかどうか

についてよくご質問を受けますが、実際のところは相談者ご一家の気持ちの整理がつかないと、売れる不動産も売れないのが実情です。

誰しもいつ亡くなるかは予想することは難しいですが、生前にご家族で実家をどうするかについて話し合うことを強くお勧めしています。

【我が家は財産がないから揉めない?!】

ひと昔前は、実家を相続するのは長男の責務になっていましたが、少子高齢化に伴い長子にばかり負担を負わせるのが難しくなってきました。核家族化もあいまって、この家をどうして欲しいのか親世代の気持ちを子世代へ伝えるきっかけが少なくなり、実際相続が起きたのちに、法定相続分を盾に分けにくい実家をめぐって争いが起きるケースが増えています。家族全員が元気なうちに今後どうしたいか決めておくことが、笑顔相続の第一歩です。

※国税庁 令和3年度相続税の申告実績の概要より

【不動産相続は揉めやすい?】

令和6年4月1日より、不動産登記が義務化されることに伴う相談も増えてきましたが、義務化されるから登記をしなければならないということではなく、その不動産の所有者が誰なのかはっきりさせておくことは、後々のご家族の争いの種を減らす意味でもお勧めしています。不動産登記を亡くなった方の名義から相続人へ名義変更するためには、「遺産分割協議書」を作成して、相続人全員の署名と実印による押印が必要になります。

もともと持っていた当の本人の想いがわかっていたら手続きもすんなり済むケースもありますが、こんな場合は要注意です。

  1.  不動産を売却して3人でお金を均等に分けたいとき。(3は割りにくい)
  2.  売却してお金は欲しいけれど、かかった費用はだしたくない人がいるとき。
  3.  相続人の一人に離婚等をして生活に困っている人がいるとき。
  4.  相続人の一人に親の介護等をしている、又は一緒に住んでいる人がいるとき。

【地方の不動産は見直されています】

「うちの実家は田舎にあるから売れない」そうおっしゃる相談者も多いですが、筆者の肌感覚ですが、コロナ禍を機に家族と会えない状況に心を痛めている方にとっては、実家の近くに家を買いたいなどのニーズが高まってきているような気がします。また、自然豊かな場所で子育てがしたい、老後を過ごしたい等ニーズばかりではなく、テレワークが推進されてきたことにより、ワーケーションで豊かな人生を過ごそうという方も散見されてきたような気がします。大切な実家を今後どうするかについては相談する相手をよく吟味することをお勧めします。

【ダメな不動産会社 ベスト3】

  1.  何も慌ててないのに、急いで売らせようとする。
  2.  不動産会社の都合ばかりおしつけられて、自分の気持ちや意見を聞いてもらえない。
  3.  良いことばかり言って、デメリットを教えてくれない。

不動産は縁なので、自分に合う合わない等もありますし、筆者も何件もご売却のお手伝いしましたが、どなたも納得されて売却したいし、購入されたいものだと痛感しています。

是非、想い出が詰まった実家の売却ですから気持ちよく次の方に引き継げるように、自分の家族であっても、知らないご家族であっても、ずっとその家がある限り、笑顔の絶えない家族が集う場所であることを願っております。

稲場 晃美(いなば てるみ)

お金と不動産相続のコンサルタント
ひとりひとりの気持ちに寄り添い、大切な資産を100年先まで承継するお手伝いをします。
経営理念「すまいと想いのバトンを繋ぎ、みんなの笑顔を100年先へ」

【保有資格】

宅地建物取引士
住宅ローンアドバイザー
2級ファイナンシャルプランニング技能士(国家資格)
相続診断士 笑顔相続道正会員

【問い合わせ先】

笑顔相続サロンⓇ上越妙高 
HP https://happy-ending.info/