ペットと私の「共生終活」 〜愛するあの子の未来を、今、守るために〜
公開日:2026-02-16 00:00
目次
■なぜ今、ペットの終活が必要なのか
日頃、終活の相談をお受けする中で、ペットに関するお悩みは年々増え続けています 。
私たちが暮らす現代において、ペットは単なる動物ではなく、まさに家族の一員として愛し愛される、生活に欠かせない存在となっています
。
ペットは私たちに多大な利益をもたらしてくれます。
日々の癒しやストレス軽減、孤独感の解消、散歩を通じた運動不足の解消、さらには地域社会との結びつきを促進してくれるパートナーです 。
その絆の深さから、彼らは「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」とも呼ばれています 。
しかし、愛が深いからこそ、私たちは現実から目を背けてはなりません。ペットは自分自身で未来を選ぶことができません。
もし飼い主であるあなたに「もしも」のことがあったら、この子はどうなってしまうのでしょうか。
ペットを最後まで守り抜くことは、飼い主としての最後の責任であり、最高の愛情表現なのです
。

■具体的に考える、あなた自身の「もしも」の時
終活とは、自分自身の死に備えるだけではありません。
日常生活の中で起こりうるリスクを具体的に想定し、問題点を洗い出すことから始まります 。
① 病気やケガで突然入院してしまったら
病気や事故による入院は、ある日突然やってきます 。
●あなたの不在中、誰がこの子のお世話をしてくれるのでしょうか?
●入院が長引いた場合の養育費(食費やシッター代など)はどう工面しますか?
●あなたがこれまで注いできた愛情と同じように接してもらうための情報を、誰かに即座に伝えることができますか?
② 認知症などで意思の疎通が難しくなったら
近年、特に深刻なのが飼い主の認知症です 。
● 判断力が低下した後も、これまで通り一緒に暮らすことは可能でしょうか?
● 介護施設などへの入所が決まった際、誰がこの子の面倒を見てくれるのか決まっていますか?
● そのための養育費を、本人の口座から適正に引き出して使い続けることはできるでしょうか?
③ 万が一、あなたが亡くなってしまったら
これが最も避けたい「この子が途方に暮れる状況」です 。
● 誰がお世話を承継してくれるのか、明確な約束はありますか?
● 遺産分割協議がスムーズに進まず、その混乱にこの子が巻き込まれてしまうリスクはありませんか?
● もし相続人がお世話を拒否した場合、この子はどこへ行くことになってしまうのでしょうか?
■この子を守るための「3つの柱」
問題点を洗い出したら、次は具体的な対策を講じましょう 。
決めたことが確実に実行される仕組みを作ることが重要です 。
対策1:情報を記録する(ペットのエンディングノート)
まずは情報を可視化することです 。
当社では、ペットの情報を書き留めるための『konokonokoto』ノートを製作し、そのお手伝いをしています 。
このノートは、あなたが不在の際にこの子を救う「最強のバトン」となります。
この後半で詳しくお伝えします。
対策2:法的拘束力を持たせる
口約束だけでは不十分なケースも少なくありません 。
●公正証書での契約
認知症などで判断ができなくなる前に、
あらかじめお世話のルールや費用について公正証書で契約を交わしておくことが有効です 。

●遺言の活用:
亡くなった後の託し先と養育費を明確にするには、遺言が「万が一のお守り」となります 。
遺言執行者を指定し、確実に引き渡しが実行されるようにしておくことがベストな選択肢の一つです
。
対策3:資金と引き渡し方法の準備
●養育費の確保:
託す先に渡すための資金をどのように捻出し、どのようなタイミングで支払うかを決めておきましょう 。
●引き渡しの仕組み:
あなた自身が直接手渡せない状況を想定し、第三者を介した引き渡し方法までシミュレーションしておく必要があります 。
■永久保存版:『konokonokoto』詳細チェックリスト
※当社で準備しているノートです。
ご興味がある方はお問い合わせください。
ノートに記録しておくべき情報を整理しました。
この項目を埋めることで、第三者が明日からでもこの子のお世話を代われるようになります 。
【この子の基本データ】
●名前・性別・誕生日・血統書
個体を特定する基本情報です。
●この子のルーツ
どこで生まれ、どのような環境で育ってきたか。
●マイクロチップ番号
迷子や災害時に身元を証明する命綱です。
【健康と医療のバトン】
●持病・病歴・アレルギー
命に関わる最も重要な情報です。
●ペット保険の加入状況
医療費負担を軽減するために必要です。
●かかりつけの病院・トリミングサロン
これまで診てきた先生やスタッフとの繋がりを維持します 。
【日々の暮らしのこだわり】
●好きな事・苦手な事
ストレスを最小限に抑えるためのヒントです 。
●常時食べているもの・おやつ
急な食事の変化は体調を崩す原因になります 。
●散歩のコースや時間帯
日常のルーティンを崩さないための配慮です。
【未来への願い】
●これからやりたい事
一緒に楽しむ計画を立てることは、今を大切に生きる活力になります。
行きたい場所や挑戦したい事などを書き留めておきましょう。
●万が一の時の希望
エンゼルケア、葬儀、納骨の希望についても具体的に考えておきます。
■ペットの終活は、あなた自身の終活
「この子の幸せ」を考えることは、必然的に「あなた自身の終活」を考えることと同義です 。
養育費をどう準備するか、遺言に何を書くか。
これらを検討する過程で、自分自身の資産や相続、
そして人生の締めくくり方を深く考えるきっかけになる方が多くいらっしゃいます
。
ペットは家族です。
いざという時に「ちゃんと準備しておけばよかった」と後悔しないために、今できることから始めましょう 。
ペットとの時間をより安心して、明るく楽しく充実させるために、
この機会にご自身やご家族の幸せも含めたトータルな終活・相続対策を検討してみてはいかがでしょうか
。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました 。
【筆者プロフィール】
栗原 久人
「めーぷる静岡島田店」代表
「めーぷる静岡店」代表
「株式会社想暖や」代表取締役
「保険代理店 有限会社シー・フィールド」代表取締役
「Dog care salon Oli」オーナー

・上級相続診断士
・終活カウンセラー
・ファイナンシャルプランナー(AFP)
・生前整理カウンセラー
・住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー歴25年。保険代理店経営25年。
これまでに2,000件以上のライフプラン・家計見直し相談に携わる。
2019年より相続コンサルティング業を開始。
相続診断士 × ファイナンシャルプランナー × 終活カウンセラーの視点を活かし、
終活・生前対策・相続対策を切り離さず、トータルで支援することを強みとする。
数字だけでは見えない“家族の想い”と、
制度・お金の現実を両立させる提案に定評があり、
「今を安心して生きるための準備」をテーマに、
実務に基づいた具体的かつ実践的なアドバイスを届けている。
<著書>
「良い相続 悪い相続 チャートで把握する相続危険度」日本法令 共著
「もう会えないとわかっていたなら」扶桑社 共著
「専門用語を使わない!相続ワードの伝え方」日本法令 共著
【筆者へのお問い合わせ】
〒427-0005 静岡県島田市岸町643-4
電話 0547-33-1666
Eメール:c-field@c-field.com
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